多少アピールに使ってるところもあり、「定時とか有休100%とか、よくできたね」と言われる機会が、多くあります。
確かに導入時、勇気というか思い切りは必要でしたが、難しいということはありませんでした。
やろうと思えばいつでもできる程度のものです。
ただし、それで回るかどうかはやってみないとわかりませんでしたので、ダメなら戻せばいいやという前提で導入したのですが、今はもう元に戻す理由が見当たりません。
当然、導入には理由があったのですが、それは期待通りに達成されました。
理由(目的)はおおきく3つありました。
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ひとつは、業績を決定するのは、成果の絶対値ではなく、時間あたりの生産性だから
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次に、スタッフは社員である前に一個人であり、仕事よりもはるかに大事なものがあるから
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最後に、付随的に採用力があがった点も、後付けですが成果になります。
① 業績を決定するのは、成果の絶対値ではなく、時間あたりの生産性だから
業種によるところも大きいと思いますが、弊社が属するウェブ分野は、営業職・技術職とも成果が個人能力に紐付く部分が多く、業務内にも個人の裁量範囲が大きい業種です。
同じタスクであっても成果の質・量ともかなりの個人差が生じる業務ですので、生産性をあげるには個人能力を上げてもらうことが重要になります。
残業・休出が自由にできてしまう環境だと、長く働けば能力に関わらず誰でも簡単に成果を上げてしまうことができます。
時間延長による成果向上には、物理的に限界がありますし、本人やその家族への疲弊も伴います。
もちろん、会社としても残業代というコストが伴いますし、残業代は能力ではなく時間に対して支払われる点も、好ましいとは言えません。
どんな会社でも、払うのなら時間にではなく、成果か能力に払いたいはずです。
これが、残業・休出がなく時間が制限されており、その上で高い予算設定がされていれば。
時間に物をいわせることができないので、スキル向上、知識吸収、業務改善、時間の有効活用という、より建設的な方向に意識が向きます。
個人の裁量範囲が広いという業務特性との相性も良く、定時退社導入後も生産性は、「時間あたり」ではなく「絶対値」で向上し、今でも緩やかにですが向上し続けています。
・・・というように理解していますが、実は、生産性が向上した理由に、確信がありません。
単に、人間の集中力の持続時間の問題なのかも知れませんし、スタッフの社歴に応じて経験値が増えたのが要因なのかも知れません。
思考時間が増えて、創意工夫がなされて、効率が上がったというのが理屈として美しいので、そう信じたいという願望に過ぎない可能性もあります(笑)
いずれにしろ結果として、定時終業を導入して、営業職も技術職も、時間あたりの生産性は明確に上がりました。
特に技術職は顕著で、時間短縮に関わらず成果の絶対値も上がりました。
これだけでも、導入の意義があったと思っています。
「スタッフは社員である前に一個人であり、仕事よりもはるかに大事なものがあるから」
については、後日述べたいと思います。
ROS株式会社 (旧社名: 株式会社 琉球オフィスサービス) 代表取締役 藤本和之です。