児童養護施設卒園者の支援をする理由

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琉球オフィスサービスの藤本です。

弊社では2011年に島添の丘さん、2013年に美さと児童園さん、2014年になごみさん、そして2017年に石嶺児童園さんにホームページを寄贈し、現在も運営・管理をさせていただいています。

また、2016年3月には施設卒園者のうち進学者3名(すべて1年制専門学校)に、在学中住居費用を全額負担する支援を開始、109万2,000円を寄付しました。

翌2017年の3月には、弊社ユーザー様へ協力を仰ぎ、計56万8,080円をお預かりし、同じく施設卒園者のうち進学者2名(ともに2年制短期大学)の、2年分住居費177万6,000円のうち初年度の寄付額88万8,000円に充当させていただきました。

(追記:2018年3月 476万0,030円寄付、2019年3月 430~480万寄付予定)

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 


 

弊社は、2010年に2人で始めた会社です。
まだ会社を登記する前、市場調査で統計や記事を読み漁る中で、「県内の小中学校には、給食のない夏休み期間中に、痩せ細って新学期を迎える子がいる」という先生のインタビュー記事を見つけ、「俺たちの会社が利益を出せるようになったら、こういうところにおカネを使おう」と話したことをよく覚えています。

そして事業を開始し、赤字真っ只中でまだまだ苦しい時期だった2011年、その創業パートナーがたまたま児童養護施設に営業に行き、契約書を持って帰ってきました。
通常どおりの有料契約でした。
僕たちは児童養護施設というものがよくわかっていなかったので、どういう施設なのかを調べたところ、それは昔でいう孤児院、ただし僕がイメージしていたように孤児が多いのではなく、ほとんどが虐待によるものだということを知りました。

「ここからおカネもらう気になるか?」
という話し合いの結果、サイトは寄贈、今後もすべて無償で運営させてもらうことにし、そこから県内の4施設に足を運び、話を聞き、許される範囲で児童に会い、居住スペースを見させてもらいました。

児童支援をはじめた理由はたびたび聞かれます。
きっかけであれば、前述の先生のインタビュー記事やたまたま施設から受注したことだと思います。
理由や動機であれば、それは恐らく実際に訪れて話を聞き、子供達と接してみれば、何かできることはないかとほとんどの方が感じることと思いますので、特別なこととは思いません。
恐らく、施設に接する機会があったかなかったかの差でしかないと思います。

2才の子供に、何よりも大切であろう親と一緒に暮らせなくなるほどの非があるはずはなく、当人にはまったく責任はありません。
誤解を恐れずにいえば運としか言いようがないのですが、運が悪いで済ませられる程度のことではなく、とんでもない不公平と言えると思います。

世の中に公平などほとんどありませんし、社会に出れば努力と競争を強いられ、頑張っても真面目でも、それだけで報われることはほとんどありません。
それはそれで良いと思っている方ですが、子供のときくらいはできるかぎり同じスタートラインに立てるように、とも思います。

だからこそ、せめてその他の生活環境くらいは多少贅沢なくらいでもいいんじゃないかと思いますが、現実は逆で、施設にいる間は少なくとも衣食住に困ることはありませんが、18才で退所を迎えると、その後は自力で生きていくという環境が待っています。

例えば、保育士になりたいという夢を叶えるために進学を志望するということは、朝から夕方までは学校で勉強し、夜と休日で生活費を稼ぐ生活を数年間続けながら、資格を取得し、卒業するという選択をするということでもあります。

学費は奨学金で当面なんとかするにしろ、家賃、食費、衣服、通信、光熱費など、未成年が得られる時給で考えると110~130時間の労働が必要になります。
遊ぶおカネではなく、生活を維持するためだけの労働です。
正社員の法定労働時間が月換算で160時間ですが、子供達は学校の単位を取得しつつ、それに近い労働をする必要があります。

その計算をしたとき、僕たちがお客様から頂く利益の、最も良い使い途を見つけたと感じました。

子供達が在学中に住むアパートの家賃は3.5万円~4万円が相場で、年間45万円前後です。
会社にとっての45万円は、大きなおカネではありますが、それだけではほとんど何もできない額でもあります。
しかし上記のような子供達にとっては、(ほんの少しだけかも知れませんが)人生を変えるかも知れないタイミングでの、人生を変えるかも知れない額で、同じ45万円でもまったく価値が違う45万円です。
「僕たちよりも上手く使ってくれる」とも言えます。

そうして、児童養護施設卒園者への家賃支援をはじめました。

県内には8ヶ所の施設があり、約400人の子供が暮らしています。
そして毎年20名前後の子供が退所し、進学もしくは就職していきます。
できればその20名全員に、在学中もしくは成人までの家賃補助をすることができれば理想なのですが、それに必要なおカネは毎年2,000万円近く、僕たちはまだ力不足です。
それでも、いずれ僕たちが会社として成長し、もっと稼ぐことができれば、法人としてはまったく手に負えないような金額ではないと思っています。

とはいえ、僕たちは今はまだまだ小さな会社で、現実として数人への支援がやっとです。
来年の3月に退所予定かつ進学希望の8名(予定)と、前年支援した2名の2年次の家賃、合計10名分約450万円も、楽に払える会社ではありません。

ありがたいことに、本年度もお客様、お客様でない事業者様、そして個人の方から、来年3月時点の予測で約80万円のご協力を頂いています。
僕たちにとって、そして子供達にとって、80万円は非常に大きな金額で、本当に助かります。
心よりお礼申し上げます。
ありがとうございます。

創業当初からいつかやると決め、6年経ってようやく始めることができたこの支援事業を継続するためにも、僕たち自身がしっかり働き、成長し、利益を稼いで、支援を絶やさないように努力していくつもりです。
同時に、皆様のご協力をいただければ僕たちも、子供達も、本当に助かります。

本年度の支援額は、予測で450万円になります。
そのおカネで10名の子供の未来を、少し良くできる可能性があると思っています。

もしご興味を持っていただけるなら、ぜひ下記をご覧頂き、ご参加を検討いただければ幸いです。
お預かりしたご協力金は、人件費や手数料などを差し引くことなく、必ず全額を子供達にお届けします。

支援をご検討いただける企業様、事業主様、個人様へ

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